住宅建築で使用される柱や梁（はり）などの木材がどのように加工されているかを考えたことがあるでしょうか？一般の方はなかなか、知ることの無いことだと思います。

ひと昔前は、木材加工は大工さんが家の手板（図面）ひとつで頭の中で考えて、のこぎりやノミを使って完全に熟練によって行われていました。ところが、マイホームの需要の増加や大工さんの高齢化などによって木材加工も機械で行うことが時代とともに必要になってきました。

住宅建築において木材の原材料を工場などで事前に機械で加工しておくことをプレカットと言い、図面をコンピュータに読み取らせて行われます。プレカットは1980年ごろより急速に普及し、全体の５割を超えたのが2000年、現在では木造軸組住宅には欠かすことのできないものになりました。

プレカットには、大きなメリットがあります。以前は、大工さんの技術のバラツキによって、仕上がりに大きな差が出ていたのですが、プレカットによって同じ仕上がりの部材を安定して調達できたり、コストも抑えられ、工期短縮や現場での廃棄物抑制にもつながります。その反面、複雑な仕口の場合、大工さんの技術頼みになることもあります。

他の業界でもそうですが、どれだけ技術が進歩しても、どうしても熟練した職人技に及ばないところがあります。双方の良いところを取り入れて価値ある物を生み出していけたらいいですね。